消えゆく鉄道'04 その1

北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線

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ひさびさの鉄行動は、ちほく高原鉄道ふるさと銀河線である。
いよいよ廃止が決まりそうで、一説には2005年春とのこと。
冬の銀河線を堪能しに、空路北を目指すことにした。

 最後のJAS旅

羽田からJASで北海道へ。考えてみればJASも今月でお別れである。
懸念された天気も良好、晴天の女満別空港へ降り立った。
ここでレンタカーを借り、北見を目指す。
与えられた車は、三菱コルト。こいつと道内3日間をともにする。安全を祈りつつ、出発。

 コルト   美幌駅


まずは石北本線で軽くジャブというところで、緋牛内に立ち寄り、
列車を撮影してみる。

 緋牛 内駅


その後は北見を目指して走り続け、到着したのはおよそ13時。

 北見駅

銀河線は、北見−置戸で一旦運行が区切られる形であり、
この区間は運転本数も比較的多い。
まずはロケハンをしつつ時間が合いそうなところで撮影。
選んだのは、西訓子府駅。
まずはそこに車を止め、少し先のカーブで撮影を始めた。
いきなり現れたのは、鉄郎の顔だった。松本零士デザインの車両である。

 鉄郎  



西訓子府に戻り、駅の様子を撮影。その後、その先の豊住付近に行ってみた。
雪原が広がっているが、もう3月も後半では、雪もゆるんでしまりがない。


 西訓子府   雪緩む



今度は北見方面に戻る。穂波駅を見下ろす丘の上に行ってみた。
道は激しくダートだ。こんなとこ自分の車じゃ絶対行きたくない。

 さざなみのよう 


さて、このあとは訓子府駅に行ってみる。
実際に乗車してみることにしよう。
とりあえず置戸まできっぷを買って体験乗車だ。
しかし、訓子府駅はすごくきれいな駅になっていた。
ちょうど地元の青年団がなにやら会合をやっていたようだ。

 立派だ

ちょうど来たのが、さっきのメーテル号。3両編成だが、後ろ2両には入れないらしい。

 到着



しかしこの列車、ものすごく飛ばす。
地元の対策会は、札幌直通特急を走らせたいと言っているそうだが、
たしかに特急が走れるくらいの線路だ。
さっき撮影した駅が見える。

 雪原を疾走    零士ねこ  





ほんの20分ちょっとで置戸駅に到着した。訓子府もびっくりしたが、置戸駅はさらに
びっくりだ。町の文化ホールみたいな感じになっている。すごくでかい建物だ。
15年前に来た時とは似ても似つかない風景だった。

 恐ろしく立派   上下離合  


とはいえやはり市街地の規模は小さい。小さなパチンコ屋が一軒見つかったので
引き込まれていく。なんと「旋風の用心棒」が新台…
Y君は天井を引いて粘っているが、筆者はネオプラにやられてむなしく駅に戻る。
しばらくしてY君帰還。ちょっと勝ったらしいので、駅前でそばを奢らす。

池田から快速「きたみ」が到着した。これに乗って訓子府まで戻ろう。
訓子府に着く頃にはもう日差しもだいぶ黄色くなっていた。

とりあえず今日の撮影を締めくくる。西富駅にてちょっとだけ撮影。

 仮乗降場の面影 



そして北見に戻る。が、ちょうど上り列車とすれ違うようだ。
日の出駅がちょうどそのポイント。50mmにレンズを換え、気合いの手持ちでがんばった。

 寒そう 



今日の撮影はここまで。北見駅前にホテルがあるので、そこで宿泊し、明日に備える。




翌朝は一番に飯を食い、すぐに出発だ。
今日は池北峠以南をメインに撮影する予定だ。
その間にすれ違う列車はもちろん収めながら行く。
まずは北見駅を出てちょっとのところにある、無加川に架かる橋で撮影。
しかしおもいっきり露出オーバー(泣

 おはずかしい 



今度は境野駅に着いた。正直なところ、銀河線の駅舎はみんな建て替えられて、
ちょっと萎えていたが、境野駅は違う。
国鉄時代の駅舎がそのまま残っているのだ。非常によい雰囲気である。

 北海道チック   い い雰囲気

 ホーローの駅名標




置戸をスルーし、池北峠にさしかかった。
ちょうどこのあたりで何本か撮ってみることにする。
まずは峠を越えてすぐのところで、池田行きがやってきた。こいつを撮影。
雪深いところまで分け入ったのだが、すでに雪も固まっていて、アプローチは楽だった。


  峠越え 


車に戻り、池田方面に走る。
すると、前方にさっきの列車発見!!Y君がビデオを回すので、運転している筆者は
併走する。他に全く車がいない北海道ならではの撮影だ。
その列車を追い抜き、国道がオーバークロスするところで撮影。
ここから先は追っかけは無理だろう。

 銘板の下を行く


さて、ちょっと北見方面に戻る。
すると、素晴らしい駅があるではないか。
それは、川上駅である。木造の昔ながらの駅だ。
その辺をへろへろしながら列車までの時間をつぶす。

 味わい深い駅  淋し いホーム




陸別−置戸間は、列車本数が極端に少なくなる。
とはいえここでずっと粘ってるわけにも行かない。
なので限られた時間内で効率的に撮る必要がある。

あらかじめ国道を流してロケハン、具合のいい鉄橋を見つけ、そこで撮影。
車は空き地にすぐ発進できる状態にしておき、即追っかけだ。


 凍てつく川


川上駅で追いつくも、写真はいいものが撮れなかった。
なのですっぱりあきらめ、その先までリードを広げる。


小利別アプローチの踏切で待ちかまえることができた。
そして小利別駅まで駆け込み、後ろ姿を撮影。
これで追っかけはおわり。もう列車はしばらく来ないので、南下を再開することにする。
 ハエタタキが並ぶ

 小利別駅前    温度不明



陸別駅も立派な駅になっていたが、なつかしい木造跨線橋はそのままだった。

 ここも立派   裏手はこんな



ちょっと南に行った薫別駅付近に鉄橋がある。ここで撮影。

 白樺林を抜けて



その隣の大誉地駅に寄ってみた。
ここも素晴らしい。国鉄時代のまんまだ。青いホーローの駅名看板がとても良い。
銀河線は、やたらきれいな駅舎に建て替えた駅があるかと思えば、
全く手つかずの駅もあり、その差がかえって楽しい。
古い駅舎を見つけると、うれしくなったりする。

 大誉地駅   昔ながら  



 寒々しいが懐かしい   上利 別もいい感じ


南下を続けて、愛冠駅に到着した。
ここは昔から名の知れた駅で、冠をかたどった駅舎がある。

 愛のかんむり

その愛冠と足寄の間に、ちょっと大きな鉄橋がある。利別川を渡る姿を収めようと、
国道沿いの空き地に車を停め、徒歩で撮影ポイントに向かった。
国道は、どの車も100キロぐらいで走っている。スタッドレスなのでその音もすごい。
肝を冷やしながら撮影点にやってきた。
Y君は国道上から撮るようだが、筆者は河原まで下りることにした。
雪の上を歩いて下りることに。お、なんだ割りと楽に降りれるじゃん、とおもったら、
足がズボッ!!
あららーとそのままバランスを崩し、前転しながら河原に着地。雪まみれだ。

 黄色い矢印が目を引く  


ここで撮影を終えたら、お昼にしよう。クーポンが使える店が一軒あるのでそこにする。
バイキングだヤッホーと思って行ったら
「今バイキングは、やってません」
そりゃそうだ、お客は我々二人じゃあな・・・がっかり。

足寄駅に立ち寄った。
おどろいた。すんごくりっぱなビルだ。デジカメでは上まで写らないくらい。
沿線最大の駅かもしれないが、こんなの見てると、
ほんとに廃止になるのだろうかという気分にさせられる。
廃止になったらもったいないなー。
といっても、どちらかというとコミュニティセンターとして作られて、
駅はオマケみたいな造りにはなっているので、駅はそのまま使われるんだろうが。
これは銀河線の駅全般に言えることで、置戸も訓子府も地域センターとして、
陸別は道の駅として、第二の人生を見据えて建て直されたものだった。

 こんな立派な・・・    防雪林を縫って



さて、さらに南へ向かおう。次は本別駅だ
ここもきれいになっているが、もうこの程度では驚かない。

 もう驚かないぞ  本屋側ホーム

しかし、駅はこんなにきれいなのに、未だに残る木造跨線橋がミスマッチだ。
もちろん写真の題材としては好適である。
ちょうど列車交換の時間にあたるので、その模様を撮ってみた。

  むしろこっちがびっくり   列車が到着



 妻を迎える      淋しい冬の夕暮れ


駅には、国鉄時代の名残である、釧路鉄道管理局の文字も残されていた。

 釧鉄




太陽はもうすっかり夕日だ。このあとは日没後の列車となる。
とりあえず通過する駅に立ち寄りながら、撮影ポイントを探す。
フィルムも残り数枚なので、これが撮影の〆、と言うことにもなる。

 原野 を望む南本別駅   高島駅 

大森駅では、時刻表を貼ってある下の板が、JR時代の駅名標だった。

 下に見えるは



そして撮影最後の地点は、様舞駅の近くに決めた。
もうまっくらである。流し撮りも難しいが、これが最後のフィルムだ。強引に撮影。

 ランラランララーン


Y君は、その列車の走る姿を見て、「エビスのコマーシャルみたいだ」と言っていた。
のちほど調べたら、あのCMはちほく鉄道で撮られたらしい。びっくり。




これで撮影は一通り終了。
ただ、せっかくここまで来たので、池田駅を訪ねてみよう。
池田駅のホームのはずれの方に、銀河線の乗り場がある。なんか、人気の少ない駅で、
更にこんな端っこでは、おそろしくさえ感じる。

 池田 駅  人気なし


ということで、北見から池田までたどり着いたところで、
ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の取材は終了。宿を取ってある帯広に車を向けた。


3月下旬ということで、浅い春が感じられる陽気だった。車での取材なのでその方が安
全ではあるが、やはり深い雪の中を行く姿などもちょっと見てみたかった。廃止まであ
と1年、最後の四季を過ごす銀河線。もう一度行く機会はある、だろうか?


06.3.25

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