消えゆく鉄道'04 その2
●名古屋鉄道 三河線
■ 4 ■
終点での撮影を終えたら、こんどは今来た道を戻っていくことにする。
途中にある鉄橋も、若干光線状態が良くなったようだ。
といっても一日中逆光の場 所・・・
そして山線の起点である、猿投駅に着いた。意外にもホームはふつうの乗客でごった返していた。
乗客はかなり多い
さて、今日は一日で三河線両端を回らねばならない。なので猿投駅の様子を撮影後、碧南へ向かおうとする。
ところが、駅で地元のおばあちゃんに声を掛けられた。
「しだれ桜行ってみた?私らも日曜に汽車と一緒に写真撮ろうと思ってる」
ああ、枝下駅近くの国道沿いにあったあれですか。でもいまいち線路とは遠いような…それにまず咲いてなかったし。
まあいいや。碧南へ向かってレッツ&ゴー!
・・・しかし気になる。
彼女の言っていた、小学校のところ、と言うのがひっかかるのだ。
一応ナビで確認してみる。筆者が思っていた小学校とは・・・名前が違うではないか。
しかもその小学校近辺にはまだ行ってないのだ。
これは行ってみるしかあるまい。時間はまだ10時台だ。これが1時間遅れても大勢に影響はないだろう。
住宅街の狭い路地をうろうろすると・・・あったあったありました!
確かにこれは立派な桜だ。
すでに地元のご婦人が、桜の写真を撮られている。
彼女は我々の姿を認めると、声を掛けてきた。
「どうやってこの桜のことをご存じに?」
駅での経緯を話すと、なるほどねーと言った感じだ。
どうやら、地元であるそのご婦人ですら、存在を知らなかったらしい。というか、地元でもあまり知られていない木のようだ。去年知ったときはもう葉っぱだっ たと、ご婦人も、さっきのおばあちゃんも言っていたから、最近移植されたのかもしれない。場所も住宅地の入り組んだ奥の方で、車ではなかなか来にくい場所 だからかもしれない。
しかしこ れ、列車からは当然よく見える。ということは、ある意味、地元の人がいかに利用していないかの証明にもなるエピソードでもあり、複雑な思いがした。
すばらしい桜だ
それはともかく、桜と列車を絡めて撮る。ご婦人も、そう言う撮り方もあるのねーと、我々のまねをして、あと数日の命の列車をフィルムに収めていた。
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