消えゆく鉄道'04 その2

名古屋鉄道 三河線

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ここで上下2本撮ったら、フィルム最後の撮影に向かおう。
筆者の脳内ダイヤでいくと、途中の三河平坂で列車交換があるはずだ。時間的には、そこにぎりぎり間に合うか、と言うタイミングだ。
しかし、距離的にも想定した時間には間に合わなかった。とりあえず降りて駅を見よう。で時刻表もちらっと…
ってオイまだ来てないじゃないか!てゆーか俺の脳内ダイヤが完全に間違ってる。
この三河線海線では、日中は列車交換がないのだ。感覚的にすごく長い路線のような気がしていたが、実際には十数キロしかなく、1時間に1往復ではぜんぜん 交換の必要などないダイヤである。
とにかく、その列車の時間も近いことから、撮影を準備、すぐに列車はやってきた。
 夕闇迫る三河平坂駅


しかし、交換必要なしとは言っても、この駅は廃止区間で唯一交換施設が残っている。
朝のラッシュ時はここで交換するようだ。そのさらに脇には廃止になった待避線もあり、かつて貨物もあった頃はかなり賑わう駅だったと想像できる。

ということでフィルムも終了、帰る準備をする。しかし、どうやら帰りがけにもう一本会合できるかもしれない。デジカメがあるのでそれで撮影を試みる。
しかし、残念ながら松木島駅に着いたとき、すでに列車の姿はなかった。
 松木島の踏切


とりあえず終点吉良吉田を訪ねてみる。大きくカーブしている蒲郡線と尾西線のホームに、横からまっすぐつっこんだ形で三河線のホームがある。
駅前にはテントが立てられていた。おそらく、さよならイベントの準備だろう。それがなんともいえずもの悲しかった。
 吉良吉田駅  寂しい構内

そんな感じで、三河線廃止区間の取材を終えた。列車こそ近代的で面白みはないが、その沿線の情景は逆に全く手つかずで良い雰囲気である。昭和テイスト満載 のこの線 路も、あと数日でお別れと思うと、ちょっと残念である。


海線で最初に着いた三河旭駅で、廃貨物ホーム下の線路跡に、地元のご婦人が立っていた。枯れ草を歩きながら、通っていく列車を見送っていた。その姿は遠目 にもとても寂しそうだった。
彼女だけではない。今回の取材でとても目に付いたのが、地元の人たちが列車にカメラを向けている姿だ。どの人もとても名残惜しそうだった。そういう姿を見 ると、廃止ということが、ことさら残念に思えてくる。それでも、こうして地元の人に愛されていたというのが実感できるだけでも、幸せな路線だったと思うべ きか。
そんなことを思いながら、帰路についた。豊川でのY君のスロット打ちたい攻撃を無視しつつ。

 最後の時をかみしめて


04.8.17

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