消えゆく鉄道'05 その5
●南海電鉄 貴志川線
今年の夏は、出発直前まで行き先が決定していなかった。
実のところ、前日まではくりはら高原鉄道を訪れる計画であった。
しかし、ここ数日の天気予報を見ると、全国的に雨模様である。
しかもくりはらの廃止は再来年であることがわかり、それならばもう一つ廃線・経営譲渡が決まっている、南海電鉄貴志川線に行ってみようと言うことになっ た。
今回は筆者の車を供出。西行きはバイパスがほとんどなので、渋滞があっても精神的に楽である。
しかし、やはり夏の暑さによる不快感は多く、途中でサンダルやファブリーズなどを購入し、活用した。
自宅を13時すぎに出発した結果、現地には24時ごろに到着した。
深夜の貴志駅を訪れる。大変ローカルな作りの、よい雰囲気の駅舎だ。
しかし強烈なトイレのにおいがたまらない。
その後、我々は宿営地を求めて移動。近くの工業団地奥にステイした。
その場所が、どぶ川の隣という最悪な場所だった。
何が最悪かというと、蚊の多さである。
ちょっと寝付いたと思ったらプーン、その繰り返しである。
まともに寝ることすらできず、朝を迎えた。
まずは貴志駅からスタートだ。
駅舎の左翼側には商店が併設されていて、とてもいい感じである。
貴志駅 ね こ駅長
草むした構内
ここから順に和歌山方面へ進むことにする。
甘露寺前駅に着いた頃には、薄日が差してきたり、少し期待を持ったが、結局この後天候が回復することはなかった。
甘露寺前 結構乗る
西山口駅から大池遊園駅に向かう途中は、水田があったり古い農家があったり、なかなか楽しめる景色がある。
西山口にて 美しい景色
そして、大池遊園駅は、なんともいえないローカルさを持っている。
駅舎は取り壊されて存在しないが、近くの民家に、待合所がくっついている。
使われなくなって久しいようで、半分廃墟のようだ。
大池遊園 旧待合室
今は誰も来ない
大池遊園は、その名の通りため池で、貴志川線もここを鉄橋で渡っている。
私有地が多くて撮影は難しいところもあるが、数カットを撮影した。
水鏡 静か な湖畔
山東駅にやってきた。ミカン畑の中に埋もれるようにある駅だ。
山東駅 乗 降なし
その隣の伊太祁曽駅は、電車の基地がある駅なので、広い構内を持っている。
有人駅なのでずかずか入っていくこともできず、外から眺めるだけだった。
伊太祁曽 構内
狭い旧街道を通っていくと、吉礼駅に到着する。
駅自体には駐車場がないため、向かいのスーパーに入る。ここで昼飯を購入。
今回はやきとりとかそんなのばっかり食っている。
吉礼駅
次の岡崎前駅にはうまくアプローチできず、そのとなりの交通センター駅に行ってみた。
駅自体は何の変哲もないものだが、すぐ近くの免許センターを利用する人で、客足が途絶えることはなかった。
免許書換用 公園には保存車が
このあたりから雨は降ったり止んだりの状況である。あまり写真も気乗りしない。
竃山駅に寄ったあとは、途中二駅は車が停められず、田中口駅までやってきた。
ここでも列車のタイミングは合わず、駅の様子を見るにとどまった。
竃山付近 もう市街地
そしていよいよ終点の和歌山駅だ。
駅前ロータリーの駐車場が、15分までなら無料なので、そこに車をおき、駐輪場の屋上に上った。
和歌山駅前
駅構内が見渡せる。電車はその一番手前で、出発を待っていた。
空から 出 発待ち
いよいよ雨が本降りになってきた。ここから再度貴志駅に向かって戻りつつ撮影する。
しのつく雨の中
しかし、もう雨のせいであまり自由度が無く、同時にやる気もなくなってきた。
露出もきびしい
結局、36枚撮りのうち35枚を撮ったのみで、引き上げることに決定した。
もっとも、線路自体が消えるわけではない。またいずれこちらに来ることが改めて立ち寄ることと決め、曇天の紀州路を後にした。
06.3.29
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