消えゆく鉄道'96 その4
●久大本線
■ 7 ■
さて、今度は、由布院のさらに向こうまで行ってみることにする。
しかし!線路ぎわで撮影に入ろうとしたとたん、ものすごい大粒の雨が!!
しのつく雨を縫ってきた1830列車
車のリアゲートを開けて屋根代わりにし、そこから線路を狙う。もはやこうなるとワゴン車は鉄ちゃんの必須アイテムとも言えよう。構図的にはもっと線路に寄りたかったが、この大雨ではいた仕方あるまい。
と、ここまでで太陽光のもと撮影できる列車は終わり。あとは、夜間のバルブ撮影予定までは、だいぶ時間がある。
そうなったら、由布院くんだりまで来て、温泉に入らない手はない。我々は湯平温泉へ向かった。
うーん、いい気持ちである。しかも、ここは外湯のため、そんなに高くない(というか、たしか気持ちをあらわす程度だったような…)。温泉はこうでなくちゃいかんと、常々思う。多少の湯の汚れは目をつぶろう。
そして、湯布院町内にもどり、ナイスなものを発見。
「湯布院地ビール」である。
字は「湯」か「由」か忘れたが、そんなもん飲んでしまえば関係ない。1500円でバイキングということもあり、酒は進むつまみは進むで、とーってもいい気持ちになってしまった。
まあそのあとどうやって夜の撮影地に行ったかは敢えて言わないが、我々は本日の締めくくりとして、野谷駅へ向かった。
ここで、1831列車は、しばらく停車している。バルブ撮影でその様子を収める。
これこそ正統派「夜汽車」
これで本日の撮影は終了。明日も朝からの撮影だ。往路の疲れをとるためにも、早く寝る必要がある。我々は、翌朝の一番の撮影予定地である、引治の名所に車を止めた。舞台中央、田んぼのど真ん中である。「寝坊したら、他の鉄ちゃんに大ひんしゅくだな」などと思いつつ、就寝。
……夜が更けるにつれ、外の木々が騒々しくなってくる。雨足も強くなってきたようだ。
一夜明けて強さを増した雨の中、我々は早々にお立ち台へ向かい、朝一番の50系、1820列車を待った。
…しかし、待てど暮らせど、列車は来ない。
考えられる理由は一つしかない。その理由の真偽を確かめに、我々は、この辺りの中枢となる豊後森駅へと急いだ。そこで見たものは、
「久大本線は、台風の影響により、全線運休しています」
予想通りの案内板が鎮座していた。
もはや台風の進路になっているこの大分県に、天候回復の余地はない。それどころか、下手にとどまっていては、足止めを食らって、帰れなくなってしまう可能性もある。
我々は、がっくりと肩を落とし、遙か遠く静岡県に向けて踵を返した。
「…かならずリベンジ決めてやる…」
心の奥底に悔しさを秘め、台風と同じ速さで、延々と大雨の中をむなしく帰っていった我々であった。
99.8.20
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