過去の栄華 その1

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下津井電鉄

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高校の修学旅行。

初日の岡山は、自由行動だった。

後楽園や倉敷のあたりを見学するのが推奨コースだったが、

僕らは先生に無理を言って、水島を経て

児島に向かった。

 

 

 

まだ気温も高い10月の始め。

児島の小さなホームに立つ。

 

 

陽炎の中から、小さな電車がやってきた。

 

 

 

 

 

電車はらくがきだらけ。

いたずらというわけではない。「らくがき電車」として

その身体をキャンバスに呈していたのだ。

 

 

 

琴海駅に停まった。

車窓からの風景は、この上なくきもちいい。 

 

 

 

 

 

 

5キロほどのわりには、たっぷり時間を掛けて

電車は下津井駅に到着した。

 

港からの潮風が薫ってくる。

 

 

 

駅にいる以外、何もすることがないところ。

 

そういう、時間の止まったような

夢の中のような空間だった。

 

 

 

 

 

 

 

さあ、みんなに合流するために

宇野駅に行こう。

 

ふたたび電車に乗って、児島に戻る。

 

夢の世界から現実に戻る

おとぎの電車…

 

ふと、そんなふうに感じた。

 

 

 

 

おわり

 

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