■ ３ ■
その白い布の向こう、ちょうど開業時に車両が搬入されたところだ。
そこに広がる光景は・・・
重機の撤去作業によってあらわになった、軌道だった。
引き剥がされたパターンベルト。
飴のようにひん曲がってうち捨てられた集電レール。
出発信号も、すでに跡形もなかった。
複線予定だった橋脚の台座が見える。
草木に埋もれて数十年。
結局複線化の夢は叶わず、破壊を待つのみとなった線路・・・。
いつまでもここにあると思っていたのに・・・。
この空間を見ていると、なんともやるせない気持ちになる。
駅の正面の方へ行ってみよう。
