過去の栄華 その3 |
●ドリーム交通
■ 2 ■
とつぜん、バーナーの音が止まった。
あたりが静寂に支配される。
白い幕が取り払われた
その幕の向こうには、
・
・
・
完全に切れ目を入れられたレールが姿を見せた。
いよいよ、37年間そこに居続けたレールが、
その場所を動こうとしている。
あ・・・
ついに、レールが浮き上がった。
モノレールが、モノレールとしての役目を終えた瞬間だ。
長きに渡ってありつづけた夢の遺跡は、
いま名実ともに、その機能を失った。
これが造られた時と同じように、
クレーンで中高く吊されたレール。
だが、そのゆく先は、
スクラップ場だ。
大船の空に新しくできた空間。
地元の人にとっては、待ちに待った広い空だろう。
無関係なただの物好きが、個人的な感傷で語ることは許されない。
だが、やはり、
最後のシーンは、
特別な感情がわき上がった。
こうしてドリモノはぶつ切りにされていく。
思い出が空に帰っていくのとひきかえに、
とつかに空が戻ってくる。
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