過去の栄華 その3

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ドリーム交通

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表紙 >>

  

 

とつぜん、バーナーの音が止まった。

 

あたりが静寂に支配される。

 

 

白い幕が取り払われた

その幕の向こうには、

 

 

完全に切れ目を入れられたレールが姿を見せた。

 

いよいよ、37年間そこに居続けたレールが、

その場所を動こうとしている。

 

 

あ・・・

 

 

ついに、レールが浮き上がった。

モノレールが、モノレールとしての役目を終えた瞬間だ。

 

 

長きに渡ってありつづけた夢の遺跡は、

いま名実ともに、その機能を失った。

 

 

 

 

 

 

これが造られた時と同じように、

クレーンで中高く吊されたレール。

 

だが、そのゆく先は、

スクラップ場だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

大船の空に新しくできた空間。

 

地元の人にとっては、待ちに待った広い空だろう。

 

無関係なただの物好きが、個人的な感傷で語ることは許されない。

 

だが、やはり、

 

 

最後のシーンは、

特別な感情がわき上がった。

 

 

 

 

こうしてドリモノはぶつ切りにされていく。

思い出が空に帰っていくのとひきかえに、

 

 

 

とつかに空が戻ってくる。

 

 

 

 

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