過去の栄華 その5 |
●小田急電鉄 向ヶ丘遊園モノレール線
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勾配を過ぎると、大きな交差点を渡る。長いビームに支えられている。
そして、稲生橋のところで大きく右に曲がる。
この付近には、まだ電車線が取り外されずに残っている。
そのカーブの先は、駅前通りだ。中央分離帯の上をモノレールは走っていく。
人が多い場所だけに、このような注意書きもやたらと多い。
そしてすぐに、線路は始点の向ヶ丘遊園駅に到着する。
ホームのミラーが、寂しげに輝いているのが印象的だった。
向ヶ丘遊園は、閉園が決まってから、行こう行こうと思っていたのだが、結局いけずじまいだった。
せめてモノレールの跡でも、と常々思っていたが、これもなかなか行けずにいた。
今回、たまたま近くを通ることがあったので、ついでに立ち寄ることができたが、時間の都合で詳しく調査はできなかった。それでも、撤去される前にその姿を一度でも見ることができて良かった。
…いや、実は現役時代に一度見たことがある。
と言っても、夜中に車でその下の通りを通っただけだが。
先輩の車の中で、「こんなところにモノレールなんてあるのか」と思ったことを思い出す。
そのときは、そこが向ヶ丘であることも、そのモノレールがどんな目的でそこにあり、どんな姿なのかも知らなかった。
ただ、漆黒の宙に浮かぶ、不思議な構造物は、今も忘れられない。
今回、このモノレール跡を見て、「あのとき見たモノレールは、ここだったんだ」と、わかった。
10年越しで再会したレールは、今は役目を終えて、静かに、そこにあった。
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